この植物の名前を、まだ知らない。

部屋に植物があると、ちゃんとした生活をしてる気がする。
だからって、枯らすのは嫌で、なんだかそれが「私の生活の答え」みたいに見られるのも困る。

それでも買ってみた。
最初の観葉植物は、リューカデンドロンというやつ。
名前も葉っぱの形も、ぜんぜん詳しくなかったけど、
最初に買うのは聞いたことない植物がいいっていう私のあまのじゃくな気持ちが前に出て、
この「リューカなんとか」ってやつを買った。

 


 

でも、植物って、静かすぎる。
元気かどうかが、まったくわからない。
葉っぱの色がちょっと薄くなった気がするけど、もともとこうだったかもしれない。
水が多いのか、足りないのかも、自信がない。
自分の感覚が、毎回テストされてるみたいだった。

 


 

ネットで調べたら、「水のあげすぎは根腐れします」と書いてあった。
その次のサイトには、「乾燥しすぎはダメです」って書いてあった。
正反対のアドバイスを交互に読んでたら、結局なにもできなくなった。

それでもなんとかやっていくうちに、「乾いたら水をやる」という基本に落ち着いた。
人間関係と似てる気がした。
“適度な距離感”がいちばん難しい。

 


 

あと、光。
明るい場所が好きなはずだからって、窓際に置いてみたけど、
夕方になると、カーテンに遮られて暗くなる。
「この部屋、思ったより暗いな…」と、植物に教えられた。

だから今では、朝起きてカーテンを開けるのが、植物のためになってる。
部屋の空気を入れ替えるのも、水をやるのも、なんとなく生活がまっすぐになる。
植物って、育てるものっていうより、暮らしに“整い”を生む生き物なんだなと思った。

 


 

いまも、うまく育ててる自信はない。
それでも、ちょっと葉が開いたり、新芽が出たりするのを見て、
「あ、今日はいい日かもしれない」って思えることがある。

植物の名前は、まだちゃんと覚えてない。
でもこの子がいることで、自分の生活がほんの少し“手入れされた”感じがしてる。

だから今日も、水やりのタイミングを迷いながら、
土を指でちょっと押してみた。

 

 

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
続、「リューカなんとか」を枯らしてしまった話です。
→観葉植物、枯らしてわかったこと。(5/20公開予定)

 


 

#枯れるのがこわかった
#水と光とちょっとの迷い
#植物の名前をまだ知らない

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