全治2日、のようなものです。

 

金曜日の夜。

ソファに沈んで、なにも考えずにカバンを見ていた。

 

そのカバンが、パタっと横に倒れた。

重いものを5日間も詰められていたせいか、バッグがくたびれて、

まるで「もう立てません」って顔をしていた。

 

それを見て、少しだけ笑ってしまった。

ああ、私もそうだよって。お互い、今週もよくやったって。

 


 

週5勤務というルールは、もはや社会人の初期設定みたいなものだけど、

あらためて思う。5日間働くだけで、どうしてこんなにも全身が重いのか。

 

別に怪我をしたわけでもないのに、

感覚としては「全治2日」程度のダメージを受けている。

 

医者じゃないから確証はないけれど、

毎週そう感じるから、たぶんこの“診断書”は合ってる気がしている。

 


 

上司に「土日でリフレッシュできた?」とたまに聞かれる。

でも正直、リフレッシュできるというほど何もしていない。

 

朝と昼はほぼ逆転しているし、食事は適当。

冷蔵庫を開けて何もなくて閉める、を3回くらい繰り返す。

予定を入れて動いたほうがいいってどこかで見たからやってみたけど、

ただただその予定が重くのしかかるだけだった。

そういう“療養に失敗した人”みたいな週末を、私は毎週過ごしている。

 


 

それでも、月曜日になるとまた靴を履いて、くたびれたバッグとともに、会社に向かっている。

それくらいには、人間の自己修復力って、わりとすごいと思う。

ただ、修復といっても「回復」じゃなくて、

「なんとか動けるまで持ち直した」というだけ。

 


 

ほんとうは、療養日3日くらいほしい。

仕事のリハビリ期間っていうやつを、だれか制度にしてくれないかなと思う。

でも現実には月曜日はくるし、誰も「治りかけですね」なんて診断書はくれない。

だから私たちは、まだ治っていないまま出社して、

「やる気、ありますよ」という顔をしながら、ゆっくりダメージを受ける。

そして金曜日に、また「全治2日」の大けがをしてしまう。

 


 

月曜がしんどいのは、怠けているからじゃなくて、

まだ治っていないだけかもしれない。

 

少なくとも、私にとってはそうだ。

 


 

月曜の朝、目覚ましを止めたあと、

一度、上半身を起こそうとしたふりをして、そっと枕に頭を押し付けた自分を、

誰も責めたりはしないでほしいと思う。

 

洗顔をしても目が開かないし、

着替えながら「これで今日耐えきれるのか」と何度も問い直している。

 

それでもまた、バッグを持つ。

倒れていたバッグも、いつのまにか何事もなかったように立っている。

その立ち姿が、ちょっとだけたくましく見えた。

 

 

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

疲れていても地道に頑張っていることの話も、よければ。

→ インビザライン、70個目で終わると思ってた。

 


 

#働くと壊れる設計です

#診断書なしで戦ってる

#みんなで療養中

 

 

 

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